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日本におけるサステナブル不動産:環境に配慮した物件選び
2025.02.13
SDGsやサステナブルといった言葉が一般的になり、その影響は不動産業界にも広がっています。環境に配慮した物件は、断熱性能などに優れており、エネルギー効率が高く、電気代の節約につながるという点で入居者に人気があります。これは、物件オーナーからしても重要なポイントで、環境に配慮した物件を作ったり、環境に優しい物件にリフォームしたりすることは、入居率のアップや空室リスクの抑制につながります。
今回のコラムでは、環境に配慮した物件選びをテーマに、現在特に注目を集めている設備を紹介します。
二重窓で冷暖房効率を上げる
「二重窓」とは、窓の形状のことで、外側の窓と内側の窓といったように窓そのものが2つあるタイプのものをいいます。2つあるので、内側の窓と外側の窓は独立しているので、それぞれ開閉できます。二重窓は、「内窓」や「二重サッシ」とも呼ばれます。
二重窓は、北海道などの寒い地域では広く使用されています。窓が二重になっていると、外気の熱や冷たさが部屋に伝わるのをシャットアウトでき、室内の涼しさやあたたかさがキープしやすいという利点があります。つまり、寒い冬だけでなく冷房を使用する夏にも二重窓は活躍するわけです。これにより冷暖房効率が上がるため、エアコンの使用電力が抑えられ、電気代の節約につながるということで入居者には人気の設備となっています。
太陽光発電設備・LED照明
賃貸住宅にソーラーパネルが設置されているケースは多くありません。しかし、だからこそ差別化になり、入居者にアピールできるものとなるでしょう。ただし、発電した電力をどのように利用するかがポイントになります。ソーラーパネルを設置しても、オーナーが売電のために設置しているだけで、入居者に還元しているのでなければ、入居者側にはメリットはありません。発電した電力を入居者の生活に使用することで、入居者の電気代負担を減らす、共用部の電力として使用することで共益費や管理費を抑える、停電時でも使用できるといった、入居者にメリットのある太陽光発電設備なら、人気を集めることでしょう。
また、玄関や廊下といった共用部の照明をLED照明にしておくというのもおすすめです。LED照明であれば電気代が節約でき、交換頻度も大きく減らせるため管理の手間が削減できます。また、「蛍光灯の2027年問題」といって、日本では蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが決まっています。2027年末以降もすでに製造されていたものや輸入されていたものは使用できますが、蛍光灯はすでに急激な値上がり傾向にあるため、物件オーナー様は蛍光灯が切れるのを待たずに早めにLED照明へ切り替えることをおすすめします。
環境問題への関心がかつてないほど高まる中、物件がエネルギー効率に優れたものであるかどうかは、入居者にとって物件選びのポイントになっています。近年では、電気代が高騰傾向にあるので、去年までと同じ使用料でも、今年の方が、電気代が高くなるというのが毎年のように起こっています。これは入居者にとっては大きな問題です。電気代と同様に物価が上昇している中、賃料も少しずつではあるものの上昇しています。
しかし、物価上昇のみを理由に賃料を上げるのは、入居者に納得感を持ってもらうことが難しいでしょう。今回紹介したような環境に配慮した物件へのリフォームは、賃料上昇へのきっかけとできるかもしれません。入居者の利益も考慮しつつ、快適な住まいづくりをすすめてください。