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日本のガスの種類とは?都市ガスとプロパンガスの違い
2025.09.11
家庭用のガスには、都市ガス(天然ガス)とプロパンガス(LPガス)の2種類があります。名前は知っていても、違いが良くわからない…。そんな方のために、今回は都市ガスとプロパンガスの違いをまとめました。
都市ガス(天然ガス)とプロパンガス(LPガス)の基本的な違い
・成分と性質
都市ガスはメタンが主成分の天然ガスで、プロパンガスはプロパンやブタンが主成分の液化ガスです。いずれの原料も無色無臭ですが、安全上の理由からガスには臭いをつけています。
都市ガスとプロパンガスは成分だけでなく、重量も異なります。都市ガスは空気より軽く、ガスが漏れると上方に広がるため、ガス漏れ警報器は天井付近に設置するのが一般的です。プロパンガスは空気より重く、ガスが漏れると下方に溜まるため、ガス漏れ警報器は床付近に設置するのが基本です。
・供給方法と供給エリア
都市ガスは道路の下にあるガス管を通じて、各家庭に供給されます。このガス管の設置には巨額な費用がかかるため、人口の集中する地域でないと採算が取れません。すなわち、都市ガスの供給エリアはガス管が整備されている人口密集地に限られます。
一方、プロパンガスはボンベに入れて家庭まで配送されるため、ガス管が通っていない地域にも供給可能です。都市部メインの都市ガスに比べて、プロパンガスの供給エリアはほぼ日本全国をカバーしています。
・料金
プロパンガスは都市ガスと比べて、約2倍も高いと言われています。プロパンガスが割高な理由は、販売員がガスボンベを各家庭に運ばなくてはならず、運送費や人件費が料金に上乗せされているからです。都市ガスはガス管を引くための費用こそかかりますが、一度敷設してしまえば、ガス管を通じてガスが自動で供給されるようになります。
また、プロパンガスは都市ガスが自由化されるずっと前から自由料金制で、ガス会社が自由に料金を設定できました。内訳を公開する義務もなく、ガス料金とは無関係な設備費が上乗せされていたというケースもあるようです。このような状況を改善するために、2025年4月からはガス料金の内訳表示が義務付けられました。
ガスの種類は選べるの?
都市ガスは地域だけでなく、建物によっても契約できるガスの種類が決まっています。ガスの種類を自由に決められるのは、都市ガスの供給エリアにある戸建て住宅だけです。
賃貸住宅では基本的に物件の所有者か管理会社がガスの種類を決定する権利を持っているので、入居者が自由に変更することはできません。どうしても変更したい場合は、物件の所有者や管理会社の許諾が必要です。
ガスを安全に使うために知っておきたい注意点
日々の暮らしにガスは欠かせませんが、使い方を誤ると命に関わる重大な事故を引き起こす恐れがあります。事故を未然に防ぐためにも、ガスの安全な使い方を知っておきましょう。
・ガスの使用中は換気をする
ガスコンロや小型湯沸かし器の使用中は換気扇をまわすか、窓を開けて換気をします。換気が不十分だと酸素が不足して不完全燃焼となり、一酸化炭素中毒を起こす危険性があります。
・調理中はガス機器から離れない
ガスコンロでの調理中は、火をつけたままその場を離れてはいけません。温度が上がりすぎると火災の原因になるので、コンロから離れる際は必ず火を止めましょう。
・ガス臭い時は火気を使用しない
ガス臭いなどの異常を感じたら、火器の使用は厳禁です。換気扇や電気のスイッチも火花が発生して着火源となるため、手を触れてはいけません。ガス臭い時は窓や戸を全開にして、ガス栓やメーターガス栓を閉めてください。ガスの復帰操作は行わず、契約しているガス会社にガス漏れの状況を連絡しましょう。